危機の中存在感高まる中国 際立つ内需主導型経済
中国は、世界の中でもリーマンショックからいち早く立ち直った国のひとつです。高度経済成長の真っただ中にあり、2008年度には一人当たりGDPが産業の転換点と言われる3,000ドルを突破、今後益々産業構造・消費形態の成熟化が加速されることになります。このような力強い内需と圧倒的な人口を背景とした中国が、金融危機後の世界経済の牽引役になれるかどうか、大いに注目されるところです。
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すでにリーマンショックを乗り越えた?株式市場
香港市場は中国企業が多数上場しており、中国経済の将来を映す鏡として好調に推移した一年でした。
リーマンショック直前の2008年9月12日には19,353ポイントであったハンセン指数は、同年10月27日には11,016ポイントまで50%近く下落しました。しかし、その後2009年3月9日に11,345ポイントの二番底を記録して以降は、右肩上がりで上昇を続け、同年7月にはリーマンショック以前の水準を越えて2万ポイント台まで上昇しました。
まるで、すでにリーマンショックは乗り越えたという感覚さえ受ける株式市場の値動きです。2009年7月には「米中戦略・経済対話」も開かれるなど、世界経済のけん引役として、中国の存在感が急速に高まって来ていることは明白です。また、2008年7月以降ほとんど変動していない人民元ですが、元高を見越した投機マネーが既に大量に流入しているとも言われており、対ドルレートの切り上げがいつ行われるのかも、株式市場にとって注目すべきポイントと言えます。
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ショックが起きてもプラス成長を続けた中国経済
中国経済は2000年代に入ってから年率8%以上の経済成長を続けており、2008年頃までは二桁成長が続いていました。リーマンショックの影響で2008年後半の成長率は鈍化したとはいえ、依然としてプラス圏を維持しており、中国経済は引き続き成長を続けています。また、中国政府は総額50兆円を超す景気対策や金融緩和によって、成長率を同国目標の8%に再び押し上げることを狙っており、こうした政策面を見ても、今後の高成長は約束されているようにすら感じるのです。
産業ごとの内訳を見てみると、第三次産業はショック後も8%の高成長を保っていることから、中国経済は工業品の輸出振興による経済発展に加え、内需拡大による成長も期待できる段階へと移行したと言えるでしょう。
2009年のGDPは日本を抜いて世界第二位となることが確実視されています。一人当たりGDPも2008年度に3000ドルを突破しており、今後急速にモータリゼーション・都市化が進むことになるでしょう。
相対的に小さい輸出入額、懸念はむしろ貿易摩擦
リーマンショックは、「世界の工場」である中国の輸出にも大打撃を与え、前年比で20%程度の輸出額の下落を余儀なくされました。しかし、同時期に輸出額前年比50%近くの下落を経験した日本と比べれば、影響は緩やかなものであったとも言えるでしょう。
2009年上半期には、中国はドイツを抜いて世界最大の輸出国となりました。通年でも中国が世界第一位の座を獲得する可能性もあるようです。既に日本・韓国・インドにとっての主要貿易相手国は中国となっており、アジア圏における貿易の中心となっていましたが、経済力を背景に今後は世界各国に対する発言力が高まっていくものと考えられます。
一方で、米中の貿易摩擦が勃発する懸念が高まっています。現在のアメリカのおかれている状況やアメリカと中国の関係を鑑みれば、過去の日米貿易摩擦を遥かに凌ぐ激しさになるかもしれず、両国間の関係には今後も注目していく必要がありそうです。
中長期的にも拡大を続ける個人消費
中国の個人消費額を示す「社会消費額小売合計」は、リーマンショック後に増加のペースがやや落ち込んだものの、グラフの通り前年比で見れば成長を続けています。また、消費者マインドを表す「消費者信頼感指数」も既に底打ちし、再上昇する兆しすら見せており、個人消費が落ち込んで小売業が打撃を受けた日本やアメリカの様子とは異なっています。
先述のように、2008年度に3000ドルを突破した一人当たりGDPの成長を考えても、自動車や白物家電の本格的普及がこれからであり、また都市化が現在まさに進んでいることも考え合わせると、個人消費は今後も伸びていくと思われます。人口も2030年までは引き続き拡大すると予想され、長期的な内需の伸びを期待するのが自然でしょう。
一方で、急速な経済成長の中、格差が広がるばかりの農村と都市の経済水準が収斂し、中国の一部だけでなく国家全体が豊かになるかどうかがまだ未知数であり、中国の社会的、政治的安定を考える上で重要なポイントになりそうです。
新興国の台頭に伴い注目されるエネルギー・資源産業
中国を含めた新興国の著しい経済発展と共に、それを支えるエネルギーや資源関連企業への関心も高まっています。例えば、中国の国有会社で同国随一の原油・天然ガス供給業者であるペトロチャイナ(【1】のグラフ)は、その存在感が国内外で日に日に高まりつつあります。2005年にはカザフスタンに権益を持つカナダ企業を買収し、2009年にもシンガポールの石油会社を買収するなど、世界各地の資源も押さえ、今後も拡大する中国のエネルギー需要に対して先手を打っている感があります。
同様に、資源会社として世界に注目されているのが、世界最大規模の鉱山会社・BHPビリトン(グラフ右下の【2】をクリック!)です。今後も予想されるエネルギー・資源価格の上昇に対して、アジアやオセアニア、アフリカに拠点を置くこれらの資源会社の動向が、リーマン後の経済や投資環境を読み解くうえで重要な鍵となるでしょう。






