通信大手3社の事業構造と収益構造の変化を確認すべく、事業別売上高構成と各セグメントの営業利益率の推移について、それぞれグラフで見てみたいと思います。右下の「1」、「2」のボタンをご利用いただき、各ページをご確認ください。それぞれ、「1」が事業別売上高構成の推移、「2」が事業別営業利益率の推移となっています。
まずはNTTです。「1」、「2」を見てみると、「移動通信」、「地域通信」、「長距離・国際通信」といった従来型ビジネスに加え、2000年代に育っているビジネスが「データ通信」であることが分かります。営業利益率ベースで見ても、絶対値では「移動通信」に大きく及ばないものの、「データ通信」の利益率は比較的安定している上に、上昇も続けている注目ビジネスと言えます。
次に、KDDIです。ここでも、ここ4~5年を見ると、「移動通信」に比べて、「固定通信」の重要性が高まってきていることが分かります。なお同社の「固定通信」事業には、FTTHやADSLサービス等が含まれており、傾向としては、NTTとも近いと思われます。
ただ、KDDIの場合は、この「固定通信」事業は未だに赤字となっており、先行投資型のビジネスの難しさが垣間見られます。会社は2011年3月期の「固定通信」事業全体の黒字化を目指しており、そこへ向けて益々サービスと営業施策の拡充を図っていくと考えられ、利用者にとってはサービス向上等でメリットがありそうです。
最後にソフトバンクを見てみましょう。同社は事業拡大、買収なども絡んで、2000年代だけでも複数回のセグメント変更を行っているため、特にそれが落ち着いたここ3年について注目して見ます。同社が積極的に販促を行っている「移動体通信」の売上高シェアが上昇、その分他のセグメントの比率が調整されています。
営業利益率に目を転じると、「ブロードバンド・インフラ」事業について、2005年度に黒字化して以来、順調に利益率を上げて来ています。また「移動体通信」事業についても、しっかりと利益を出しているようです。外からは「安い」というイメージが強い同社ですが、一方で利益もしっかり稼げているところがさすがです。
各社のIR資料を参考に、FTTHサービスの契約数について、その推移を見てみます。各社の参入等で、伸び自体は遅くなっているものの、NTT(フレッツ光)がそのシェアを順調に伸ばしており、2008年度末の時点で、1,100万件を超える契約数を誇っています。安定した顧客基盤と知名度、さらに今後の投資も可能な財務体質を考えると、このフレッツ光の快走は、今後も続くのでしょう。